悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

「なら、ひよりはいつからそんな悪いコになった? 家出したりサボったり」

「……柳と会ってから」

「あ、俺のせいか」


へらっと笑った柳は、急に両手をしっかりとあたしの背中に回してきた。

──ぎゅうっと抱きしめられて、心臓が止まりそうになる。


「じゃあ……こうやって、もう少し悪いコトしてようか?」


耳元で囁かれた声は、甘くて、ただならぬ色気があって……なんか危険!

このままじゃ心臓が破裂する!と、頭の中で点滅していた黄色信号が赤に変わった。


「っ、ふふふざけないでよ!!」


ありったけの力で柳の胸を押して身体を離すと、彼は楽しそうに笑っていた。

ただからかわれただけなのに、きっとあたしの顔は真っ赤だろうな。


やめてほしいよ、本当に。

こんなふうに触れられたら、もっともっと好きになっちゃうよ。

柳はきっと、あたしのこと、くされ縁の幼なじみとしか思ってないのに──。



さわさわと木の葉が揺れ、柔らかな木漏れ日が差し込む、二人しかいない小道。

初めて校則を破ったあたしは、初めて恋するときめきや切なさを感じていた。