悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

「な、んで……!?」


やっとのことで声を絞り出すと、柳はこっちに近付きながら言う。


「いやー、門とそこのでかい木の間にいたんだけど、コレ抱えて隠れるの難しいのなんの。でも皆意外と気付かないんだよな。どんだけ存在感ないんだよ俺」


ははは、と自分につっこんで笑う柳に、張り詰めていた空気が一気に緩んだ気がした。

あたしは脱力しながら、口の端をヒクヒクさせる。


「そうじゃなくて、理由を……」

「まぁ、それは後で説明するとして」


あたしとリカとの間に立った柳は、スッと表情を引き締めて、彼女をまっすぐ見据える。

リカはバツが悪そうに目を逸らした。


「人のもの勝手に捨てるなんて、当然ダメだってわかるよね? リカちゃん」


優しく諭すように、けれどキッパリと言われ、リカは怒られた子供みたいに眉を下げて俯いた。

そして、柳の目線はお嬢様達へと移る。


「ひよりに変な嫌がらせするコはこの中にいるの?」


責めるでもなく、普通に質問するような調子で問い掛けると、彼女達はどぎまぎし始める。