悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

黙り込むあたしは、リカの言葉を肯定しているのと同じ。

一つ息を吐き出した彼女は、とても冷え切った声で言う。


「……捨てたわよ、ごみ箱に」

「え……捨て、た?」

「そんなに大事なものだったの? あんなプラスチックの欠片が。そうとは知らずにゴメンね」


口元にうっすら笑みを浮かべるリカと、目を見開く亜美。

あたし達の横を通り過ぎていく生徒達の声が、どこか遠くに聞こえるくらい、身体の内から怒りが込み上げてくる。


捨てられちゃったなんて……

あれはただのプラスチックでも、ただギターを弾くためだけのものでもないのに。

少なくとも、あたしにとっては──。


「……どこのごみ箱に捨てたの?」


俯いて、震える唇を動かして呟いた。

亜美は不安そうにあたしを見守り、リカは鼻で笑う。


「やだ、ごみ箱を漁るつもり? もうきっととっくに収集されてるわよ。そんな野良猫みたいなマネ──」

「いいから教えなさいよ!!」


思わず叫ぶように出た声に、リカも亜美も、周りにいた女子も一瞬固まった。

何事かと視線が集中するけど、今はどうでもいい。


「あれは大事なものなの! 見付かるなら野良猫にだって何だってなるわよ!」