悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

低くなってきた太陽の光が射す床にへたりこんで落胆していると、亜美もそばにしゃがみ込む。

そして、ためらいがちに口を開いた。


「ねぇひよちゃん、こんなこと言いたくないけど、もしかしたら……
リカちゃんなら知ってるかもしれないよ?」


リカの名前を出されて、あの時様子がおかしかったことを思い出した。

顔を上げると、亜美は困ったように眉を下げている。


「ここで落とした時にリカちゃんがピックを見付けて、それが柳くんからもらったものだって気付いたとしたら……」


スタジオに行った時、ギターを弾いている姿や、皆が話しているところを見ていれば、無知なリカだってピックの存在は知っているはず。

それをあたしが持っているとなると、柳からもらったのだと考えるのが自然だろう。

もしそうだとすると──。


「……嫉妬して、どこかに隠したとか?」

「その可能性はあると思う」


亜美と目を合わせて、あたしは深く息を吐き出した。

あの時実験室を出て行ったリカの手には、ピックが握られていたのかな……。


「明日、聞いてみるよ」


そう呟いたあたしの心は、複雑な想いがもやもやと立ち込めていた。