悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

勝ち誇ったようにあたしを見下ろすリカ。

このお嬢様が足を引っ掛けたのね……ムカつくーー!!

腸(はらわた)が煮え繰り返るってのはこういうことか!


今すぐつかみ掛かってやり返したいとこだけど、先生がいる手前そんなことは出来ない。

あたしはただ唇を噛みしめて立ち上がり、ぱんぱんと手についたホコリを払うと、皆の笑いを背中に感じながら黒板に向かうのだった。



それからというもの、リカは地味~に嫌がらせしてくるようになった。

ノートを借りたまま返してこなかったり、担任が呼んでると嘘を言って無駄足させたり、ドッジボールではお嬢様グループがあたし一人に総攻撃してきたり……(これが一番キツい)。

やることは幼稚だけど、こっちは結構なストレスだ。


リカのイタズラ心に火がついちゃったのかなー……なんて思いながら、ささやかな嫌がらせに耐えていたある日。

朝、亜美と一緒に登校して、靴を履き変えようと自分の下駄箱を開けた時、中を見て固まった。

あたしの上履きが、びしょびしょに濡れている……。