悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~


その後、本当は22時までだというバイトを、柳はあたしを家まで送ると言って早めに上がってくれた。

一人で帰れるからと断ったけど、マスターにも『そうしなさい』と諭されて。

あたしのためにお店にまで迷惑をかけちゃったし、やっぱり突然家を出るのはもうやめよう。


一応大地にメールしてお父さん達の様子を聞いてみると、あたしはもう寝たと大地も言ってくれたおかげで気付いていないようだ。

一安心だけど、部屋に戻るまで気は抜けない。

気合いを入れ直して、柳と一緒にスロースを後にした。


駅までの少しの道を、隣に並んで歩く柳を見上げて遠慮がちに言う。


「……ごめんね、柳だってこれから家に帰らなきゃいけないのに」

「あぁ大丈夫。今日はじーちゃんの家に泊まるって連絡しといたから」

「あ、ほんと?」

「ん。俺の親はどっちかっつーと放任主義だし、じーちゃんちもいつでも泊まれるようになってるし」

「そっか……ならよかった」


ホッとしつつ、再会した日に柳がした意味深発言をふと思い出す。

たまにはおじいちゃんおばあちゃんの家に来てるの?って、あたしが尋ねた時に言っていたことだ。