「……明日香、無茶はするな。俺たちは…君を守るために、ここにいる」
明が、諭すように言う。
今まで何度も聞いた。
でも、私は、
「それでも、二人が大切だから。大好きだから。守りたい。…離れたくない」
そう言ってまっすぐに見つめた。
ひかりは、諦めたような笑顔でため息を吐き、
「言うと思った。明。明日香がすぐに考えを変える人じゃないって…知ってるでしょ。一緒にいた方がいいよ」
助言をしてくれた。
明は、まだ嫌そうではあるがきびすを返して、二階へ上がっていったので、少しだけ許してくれたのだろう。
「行くよ、明日香。私から、離れないでね」
ひかりは私の前を歩く。

先導するように。
守るように。

その背中が、寂しそうに見えたのは、気のせいなのかな。