家の中は乱雑に荒れていた。
まるで、男の子が亡くなったときのように。
「明。ひかり」
二人の名を呼ぶ。
人影が二つ、揺らめいた。
「どうして来たの?」
ひかりの声。少し、怒ってる。
「来るなって、言ってただろ」
明の声。心配しているときの声。
「二人だけで、やってほしくない。これは悪霊の仕業。なら、私もやらなきゃいけない」
私の決意のこもった声に、二人がたじろぐのが分かる。
私は続けて言う。
「なにもできない訳じゃない。私だって、霊研の一員なんだから」
私の声を、聞いてる二人。

届け。

二人に。

私だって、やれるんだよ。