男の子に事情を説明し、お母さんの居場所を聞く。
「お母さんはこのお家にいるよ。ずっと…悲しんでるの…お姉さん、お母さんを助けて…」
男の子はふわりと、姿を消した。
私はびびりながらもインターフォンを押す。
ピーンポーンと間の抜ける音と共にパタパタと足音がする。
がらがらっと鳴りながらドアが開き、中から出てきたのは男の子の幽霊と少し顔が似ている女の子でした。
髪は伸び、服も薄汚れ、つかれた顔をした女の子。
「どちら様ですか?」
かすれた声はか細く、聞き取れないと思うほどでした。