『姫!!お逃げください!』
綺麗な金髪の男の人。
軍人のようにかっちりとした服に、緑の宝石が埋め込まれたブローチをしている。
彼は、慌てた様子でバタバタと家に入り、私の手をとった。
『そんなに焦る必要はないわ。子供たちはすでに“あの二人”の所に預けてあるわ。心配しないで?』
私は無意識に金髪の男性に答えた。
私の伸ばした腕は細く、病人のように青白かった。
男性が私の手を引いて外に出ようとした瞬間、勢いよくドアが蹴破られた。
『こんなとこにいたんすかー?ひーめさん?』
ガラガラと音を立てる壊れたドアの間からにゅっと姿を表したのは鎧をきた男達だった。