私は、ティーカップをおき、陽介さんを見る。
想像よりも若い人だ。お母さんより若いのかな?
「えっと…なら、僕の家に来るのが一番かなって思うんだけど、それでかまわない?」
陽介さんも私と同じ思いみたい。
「はい。よろしくお願いします、陽介さん」
私がそう言って手を差し出すと、彼も手を出して握手してくれた。
「よろしくね、明日香ちゃん。本当はもっと早く来たかったんだけど…叔母さんたちに拒まれたんだ。お前には無理だって。無理だと思うなら自分が引き取ればいいのに…」
最後らへんは愚痴のようになったが、まぁ、仕方のないことだろう。
お母さんもお父さんも親戚と交流している話は聞いたことがなかった。
嫌われていたかはわからないが、好かれてもいないのだろう。
「仕方のないことです。顔も知らなかった小学生なんて、普通は施設にでも行かせるでしょう」