「こんばんは。」 私はその声を聞いて 耳を疑った。 この声は山中先生じゃない。 そう。この声は私の愛しい人の声だった。 「こんばんは。あの…山中先生は…?」 「山中先生インフルエンザにかかっちゃったらしくて、山中先生が治るまで俺が市村さんの数学を担当させていただきます。」 「そうなんですか…。よろしくお願いします。」 表では至って平常心だったが、心の中では泣きたくなるほど嬉しかった。