なんでわざと女子を敵に回すようなことするかな。
私は自分の席に戻って、横にかけてある鞄を机の上に置いた。
そして、握っていたクマのストラップをつける。
なんだかクマの顔が不細工になった気が。
「王子なんて?」
私の席に来た美紅がスマホをいじりながら、私に問いかける。
「別に〜。クマのストラップ拾って持ってきてくれただけ」
「へえ。さすが王子。そういうとこぬかりないよね」
あ、そっか。
美紅たちはあいつの本性知らないんだ。
「さすが王子だよね、うん」
「なによ」
「いや、別になんでもないです」
言ってやりたい。
あいつは本当は悪魔みたいな性格をしていて、王子とはかけ離れた生き物なんだと。
「あ、そうだ美紅。私今日お弁当じゃなくて購買なんだ。ついてきてくれない?」
「いいよ〜優奈も連れていこう」
「そのつもり」

