「バレバレだよ」
え?
バレバレ?
私は小野くんの顔を見る。
「本当は好きでもなんでもないくせに」
さっきから衝撃的なことが多すぎて、私の頭は整理するのに時間がかかりそうだった。
「全部分かってんの、俺は」
「...全部?」
「お前の友達が、昇降口のとこで喋ってたの丸聞こえだったの」
昇降口...。
「俺に告白することになったきっかけは知らないけど、嘘の告白だってことはわかった」
つまり、どういうことなの?
「簡単に、言ってください...」
「だから、そんな気もさらさらないようなお前と付き合ったら面白そうだなって思ったんだよ」
お互い騙しあってた。
私は嘘の告白を小野くんにし、小野くんは嘘の告白に気付きながらも私と付き合った。
私が小野くんに期待しちゃうことも、全部知ってたんだ。
あれだけモテるんだもん。
女の子を落とすことは、小野くんにとって簡単なこと。
「じゃあ...別れようよ」
「は?」
「こんなんで付き合ってても何の意味もない」
「...」
「嘘で告白したことは謝る。
ごめんなさい」
小野くんは顔を逸らして溜息をついた。
「お互い騙されあったことに気付いたんだし、もういいじゃん」
こんな人だとは思わなかった。
みんなの前では、ずっと猫かぶってたんだ。
「それは無理」
「いいよ、別れよう」って言うと思ったのに。
嘘の関係を終わらせようと思ったのに。
小野くんの口から出たのは、私が期待していた言葉と違った。

