「え?」と言った私の声は掠れていた。
小野くんに聞こえただろうか。
今何か言えばきっと声は震えるだろう。
その言葉を理解することが出来なくて、私は足を止め、小野くんの顔を見つめる。
「何?」
小野くんも足を止め、冷たい眼差しを私に向ける。
その顔が怖くて、思わず顔を背けた。
「な、なんでもない...」
やっと出た言葉。
本当は何でもないわけじゃない。
「面白そう」の意味を知りたい。
「あっそ」
だって、何でそんなに冷たいの?
さっきまでの小野くんはどこかに消えてしまった。
「聞きたいこと、あるんじゃねえの」
図星だった。
私は「あるけど...」と言葉を濁らせる。
「だったら聞けば?」
鼻で笑われる。
聞けるわけないよ。
私の知っている小野くんじゃない。
知っているって言うほど仲良くもなかった。
けど、全然違うじゃん。
小野くんの変わりように涙が出そうになるのが分かった。
目頭が熱くなってくる。
それを堪えるように瞬きをたくさんした。
「面白そうって...」
泣きそうになる私の精一杯だった。
「ん?あぁ、そのままの意味だけど?」
「そのままの意味」って何?
何がそのままなの?
「まだわかんないの?」
明らかに馬鹿にした声。

