「大丈夫ですよ!」




それだけ言って自分のデスクでパソコンと向き合う。



本当は大丈夫なんかじゃない。
泣きたいくらい悔しい。


私自身も自分の企画が通った事には驚いてるけど……。
でも、女を使って手に入れた企画だとか、そんなこと言われたくない……。




「泰東、こっちきてくれ」

「はい」




橘部長に呼ばれて立ち上がれば、私の事をよく思っていない人たちがニヤニヤと私の方を見ている。




「夏香ちゃん~彼氏さんがお呼びだよ~」

「早くいかなきゃ~」




私に投げかけられるその言葉。




「先輩!彼氏じゃないですって~」




明るく返せば先輩たちは卑しい笑顔でずっと私を見ている。


悔しいけど……言い返せない。
私がムキになればなるほど先輩たち思うツボだと思うし。
職場の雰囲気をこれ以上壊したくない。


私が我慢すれば大丈夫……。