鈴が咲く【前編】


「ううん。
これは、こっちと先にかけて...
で、こっちと計算するの。」

「そっか!
もっかいやってみる!」



「関石君は?
どう?できた?」

「う~ん...
この問題、文法こことちゃうよなぁ?」

「あ~...うん。
これは、こっちの問題とは違って...」




遠山君は数学、
関石君は英語を教えることになった。


社会と理科は暗記系だから、
ノートとか、
暗記方法を教えるだけ。


残りは集まったときとかに
教えることにしたんだ。



「あ~....」



隣でワークをやってた翔が、
大きく伸びをする。



クスッ...

翔の素であるだらけてる感じを
久しぶりに見たのもあって
つい笑ってしまう。

「翔、疲れた?
大丈夫?」

「あ~...
疲れた。肩こった。
ワークやんのめんどい。」

「あらら...
ずいぶんばっさりと...」

「ちょっときゅーけい!」



ふぅ、と息を吐き出して、
翔の近くに行く。