「優花、強くなれよ」
先に沈黙を破ったのは蓮だった。
何も言えない。
何を言っていいのかもわかんない…。
「優花の進みだした時間、また止めるなよ。負けんなよ」
蓮、お願い…
もぅ言わないで…それ以上何も言わないで。
お願い、涙でるから。そっとして…
「うん」
下を向いたまま、それしか言えなかった…。
何も話さないあたしを気遣ったのか、蓮はあたしの手をそっと握って店を後にした。
外は寒い…
凍えるぐらいの寒さなのに繋がれた手だけは凄く温もりをかんじ、この積もっている雪を全部溶かすかのように温かくなっていた。



