「蓮、頑張ってね」
実際、この話を目の前でしたら辛かった…
胸が苦しかった。
行かないでって、そう叫びたかった。
「卒業したらすぐ行く」
えっ、そんなに早く行くの?
卒業って…あと2週間じゃん。
早いよ…
早すぎるよ、蓮。
「そっか…」
あたしは下を向いて、そう小さく呟く。
蓮の顔は見れない…
涙がでそう。
だけど…
あたしは蓮の前では泣かない。
あたしと蓮の沈黙は、とにかく長かった。
お互い何も話さずに時間だけが過ぎていく…
店の中の楽しそうに笑い合ってる人達の声さえもあたしの耳には入らなかった。
下を向いてるあたしは、蓮の表情すらわからなかった。
蓮は何を思っているの?
今、蓮は何を考えているの?
そして…
何処を見ているの?



