寂しそうにするあたしに山ちゃんはいつも優しくしてくれていて、たった1人の信頼できる人だった。 


まだ小学5年生のあたしに両親が居なくなったと言う事はカナリのショックだった。そんな時、山ちゃんは“俺の家に住めばいいよ”って言ってくれて、その日から住むようになった。 


山ちゃんのお父さんもお母さんもその事には何も触れずにいてくれて凄く凄く優しくて嬉しかった。あたしの両親じゃないのにあたしの事をよくしてくれて、毎日あたしを元気づけようとしてくれてた。 


でも、だけど…ここは私の居場所ではない。


小学だけどそれくらいは分かってた。ずっと居る所じゃないって、このままここに居座っちゃダメなんだって分かってた。