―――次の日。 


「おはよ」 

「おはよ。優花今日は早いじゃん」 


昨日の蓮とは違って、いつもの凄い優しそうな顔をしていた。 


「最近は遅刻してないけど」 

「まぁな」 

「あのね蓮。あたし昨日、電話したんだ」 

「そっか」 


蓮は、その一言しか言わなかった。 

その目はあたしを見ることもなくずっと前を向いていた。 


「あっあのさ蓮?」 

「ん?」 

「蓮は山ちゃんの事、知ってたんだね」 

「え、山ちゃん?」 


あっ……いつものクセだ。 

蓮は知らないはず。 


「あの山中哲也さんの事だよ」 

「あー哲也さんの事か…すげぇ前から知ってたよ」 

「じゃあ番号教えてもらった時、なんであたしに言ってくれなかったの?」