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「こっちこっちーー!」


先に来ていた若菜に手を振られ、慌てて日南子は駆けていく。


カフェのオープンテラス席は、とても気持ち良さそうで、何だか嬉しくなる。


だけど、嬉しくなる本当の理由は自分でよく分かっていた。


今日は、身軽なのだ。


「久しぶりー!あれ?咲ちゃんは?」


「えへへ……旦那が見ててくれるって!」


「うっそ!航平さん、優しいねぇー」


友達に言葉で言われることで、喜びが増す。


日南子は、のろけこそしなかったものの、″優しい″という言葉を否定せず、若菜に向かって微笑んだ。