ダンナ様を妬かせる方法

「祐一が怒ってる?」

「はい……。」

ミィーティングルームで仕事そっちのけのわたしは、課長に相談をした。

「それは、効果てきめんだったな」

「効果てきめんって?」

「もうすぐ分かるよ。祐一には、オレがここで久保田と二人きりになるってこと、言っておいたから」

「?」

まるで分からない。

半べそで、その意味を理解しようと考えていると、突然ドアが乱暴に開いたのだった。

「おっ、来たな祐一。やっぱり、久保田と二人きりで作業をするって言ったら、飛んで来たか」

二人きりで作業?

そんな予定はない。

わたしが祐一のことで相談したいと言ったら、ここへ連れて来られたのだ。

「じゃあ、オレは退散するから」

「えっ!?課長、置いていかないでください!」

怒った顔をしている祐一と二人きりなんて、かなり気まずいんですけど。

追いかけようとしたわたしの腕を祐一は掴んで、そのまま壁際に追い込んだのだった。