「………わかりました」 「よかった。んじゃ、俺帰るわ。まだ練習あるんだろ? 楽しみにしてるから頑張ってね。安西先生も。それじゃ」 「……はい、さようなら」 「………」 私は終始、何も言えなかった。 口を出す暇なんてなかった。 さっきから、ドキドキと早鐘の様に鼓動が鳴り響いててうるさい。 何だ、この状況は。 「安西先生」 「……はい」 久住君の声はまだ低い。 そして、暗い。 私の方にゆっくりと向き合い、じっと顔を見つめられる。