ああ、ダメだ。
また考えてしまう。
私は久住君が好きなんだよね?
春斗の事、拒んだじゃないか。
受け入れようと思わなかったじゃないか。
それが答えなんだよね?
間違ってないよね。
音楽室に入ると、既に中には春斗がいて他の先生と笑顔で会話していた。
私に気付くと、一瞬固まった。
だけど、すぐに笑顔を見せると
「揃ったみたいですねえ。じゃあ、練習しましょうか」
と声を上げた。
皆、楽器を持ちながら持ち場につく。
私も辻先生と別れて、椅子に座ってピアノに向かった。
合図をしてから春斗は綺麗な声で、歌い上げていく。
その声を初めて聞いた時、私はギターよりも、ボーカルの方が合ってると思った。
久住君に教えて貰った箇所に注意しながら、私は鍵盤を叩く。
その演奏は今までで一番上手く弾けたと思った。



