「俺、別に真央梨の彼氏じゃねえじゃん」

「……」

「でも、酔っ払ってる真央梨、めっちゃ可愛くて。
そんな顔他の男らに見せてたのかよって考えたら腹立って仕方ねえの」

「……何それ」

「あーー、もう、ヤキモチだよ!彼氏でもねえのに!
だから、葛藤してんの!」



空いてる手で、ぐしゃぐしゃと髪の毛を乱すとはあっと溜め息をつく。



それから。

ぽつりと。



「あー…俺、どうしてこんなに気になっちゃってるんだろ」



それは、まるで独白してる様だった。



その、後姿を見つめる。
片手で顔を覆ってて、恥ずかしそうにしてる春斗にゆるゆると口角が上がって行く。




「……笑ってんなよ」

「ふふ」

「くそ、恥ずかし…」


なんだ。
結構可愛いとこもあるんだな。