私からいちごのかき氷を受け取った男の子は、ベンチに座ってかき氷を食べていた。
六時を回っているというのにもかかわらず、帰って食べずに河川敷のベンチに一人座ってかき氷を食べている。
私は放って帰ることもできず、ゆっくりと後片付けをしていた。
「あの!すみません!!このあたりに小学生ぐらいの男の子来ませんでしたか?」
四十代ぐらいの夫婦が慌てた様子で聞いてきた。
「あの子のことですか?」
私はいちごのかき氷を食べている男の子を指さした。
男の子の母親は、一礼もせず息子の元へと走っていった。
「どうも、ありがとうございます」
母親の代わりに、走り回ったのであろう父親が息をきらしながらお辞儀をした。
「いえ、そんなお礼を言われるようなことは」
父親にお礼をされた私は、何故だか、無意識のうちにキャップを深く被った。
「――お名前聞いてもよろしいですか?」
考え事をする時のようにおでこを右手で掴んだ父親に問い掛けられた。
六時を回っているというのにもかかわらず、帰って食べずに河川敷のベンチに一人座ってかき氷を食べている。
私は放って帰ることもできず、ゆっくりと後片付けをしていた。
「あの!すみません!!このあたりに小学生ぐらいの男の子来ませんでしたか?」
四十代ぐらいの夫婦が慌てた様子で聞いてきた。
「あの子のことですか?」
私はいちごのかき氷を食べている男の子を指さした。
男の子の母親は、一礼もせず息子の元へと走っていった。
「どうも、ありがとうございます」
母親の代わりに、走り回ったのであろう父親が息をきらしながらお辞儀をした。
「いえ、そんなお礼を言われるようなことは」
父親にお礼をされた私は、何故だか、無意識のうちにキャップを深く被った。
「――お名前聞いてもよろしいですか?」
考え事をする時のようにおでこを右手で掴んだ父親に問い掛けられた。


