悔しそうな顔をして、俺から目を逸らした芽依の後ろ姿を見て、またニヤリと笑う。
なぁ、芽依
それが『嫉妬』だって、気付いてる?
俺と岡田さんが二人で歩くのを見て、芽依は嫉妬してるんだ。
芽依が俺と同じ気持ちなんじゃないかって思ったのは昨日。
『あっちゃんが…、近寄らないとか言うから!あんなキスしといて…近寄らないとか……』
それってさ。
『離れるな』とも言ってるし
『キスが嫌じゃなかった』とも言ってる。
もしかしたら芽依は気付いてないかもしれないけど
芽依はきっと俺と同じ気持ち。
後は、越えさせるだけ
『姉弟』という壁を。
最低な弟だけど、これしかない。
芽依を手に入れる方法は。
でもこれは……、限りなく確信に近い期待で。
芽依の気持ちが俺に向いてるってのは、ただの俺の期待で、本当は違うかもしれない。
でも、進むしかない。
芽依が誰を見てようと、俺は芽依が好きだから。
それならばすることは
『芽依の気持ちを俺に向けること』のみ。
俺はもう、芽依以外を捨てる覚悟はできてる。
遠慮なんて、してやるか。
*