「芽依……好きだ」


あまりにも自然に聞こえた言葉


まさかあっちゃんの口から零れた言葉だなんて、信じられなくて……



ねぇ、これは夢なの?


それなら早く覚めて


そうじゃないと夢から覚めた時、寂しくて死んじゃうから……



「なぁ、芽依……」


あっちゃんがまた言葉を発する。



「芽依は?……俺のこと、どう思ってる?」



好きだよ


大好きだよ


でも言えない。


あっちゃんは私の『弟』だから



ごめんね、あっちゃん


言えないよ………



「なぁ、芽依……」


あっちゃんの切ない声が耳元で響く。



大好き大好き大好き


心の中でいくら叫んでも、あっちゃんには届かない………



「……わかった」


あっちゃんはそう言って、私を抱き締める腕を緩める。



また……、またあっちゃんは離れていっちゃうのかな?


やだよ。自己中だけど、そんなのやだ……っ


私はあっちゃんの服の裾を、ギュッと握った。


………その時一瞬あっちゃんがニヤッてしたなんて、気付きもせずに。



「大丈夫。離れねぇから。今まで通り『姉弟』でいよう。………芽依が俺を好きって言うまで」


「…………え?」


「絶対言わせる。仕方ねぇからそれまでは『弟』でいてやるよ。」


パッと上を見ると、そこには久しぶりに見たあっちゃんのドSな微笑み……


「覚悟してね?おねーちゃん」


あっちゃんがそう言うと、私の唇はまた熱いあっちゃんの唇に塞がれていた……



*