あの日から


俺は芽依を徹底的に避け続けた。



朝は朝練があるからと早くに家を出て


夜は岡田さんを送って遅くに帰る


飯の時間もずらしたし。



芽依も俺を避けているのか、絶対に家で会うことはなかった。


もちろん、学校でも。








「はぁ……」


うなだれる俺を見て、悠が苦笑いする。



「そんなに落ち込むなら言っちゃえばいいのに。キスまでしたんだから」


「…………」


「いくら鈍感な芽依ちゃんでも気付いてんじゃない?篤志の気持ち」



……そうかもな。


でも、……困らせるだけだから。芽依を。



「そういや芽依ちゃん、最近見ないね。学校でも」


「そりゃ、俺を避けてるから」


「いや……菜月と2年の教室の近く通りかかったんだって。芽依ちゃんいるかなぁと思って探したけど、」


いなかったよ?



悠のその言葉を聞いた瞬間、俺は走り出した。



そういえば


俺はいつも無意識に芽依を探すのに、学校でも不自然なくらい見なかったし


家でも不自然なくらい会わなかった。


芽依の飯は、俺が見る時いつも残ってて……


隣の部屋からは物音一つしなかった。



まさか、芽依は……



*