「芽依ー!起きなさーい!!」


朝。リビングから聞こえるお母さんの大声に目を覚ました。



「んぅ………今、何時……は、8時?!?!」



にゃー!!遅刻する!!


ドタバタドタバタ



激しい音を立てて大急ぎで準備して


リビングに降りていつも通り、お母さんに挨拶する。



「なんでもっと早く起こしてくんないのー!!」


「あんたもう高2なんだから、自分で起きなさい。ほんとに、あっちゃんを見習ってほしいわ」



お父さんが私が3歳の頃に亡くなって、それからお母さんは女手一つで私を育ててくれて


私が6歳の時に今のお父さんと再婚した。


お父さんのことは小さかったからあまり覚えてないけれど


優しく抱き締めてくれたことだけは覚えている。



大好きだった、お父さんの温もり─……




「てめぇ、朝からうっせんだよ…」



……………




「ああ、あっちゃん?!何でいるの?!」


「あんだよ、いちゃわりーのかよ」


あぁ、うっせーなぁ。なんて言いながら顔をしかめるあっちゃんにも、正直嬉しさが込み上げる。



「…何笑ってんだよ」


「うぅん?何にも?」


「はぁ?」



だって、朝にあっちゃんがいるの久しぶりなんだもん。


嬉しくないわけないよ。




*