シュパッ……
俺が放ったボールが、綺麗にゴールに吸い込まれる。
その瞬間、ピーッと笛が鳴って、試合が終わった。
……試合っつっても、校内でやってる5対5なんだけど。
「篤志最近調子いいな!」
同じチームだったキャプテンが俺のところに来てそう言った。
「ありがとうございます!」
純粋に嬉しい。
キャプテン尊敬してるし
バスケ、好きだし
でも調子がいいのはきっと、
『する!するする!』
あんなに近くで、芽依の笑顔を見ているからで。
なんて単純なんだろう、俺は。
「篤志くん!はい、タオル」
「あ、ありがとうございます」
岡田さんからタオルを受け取ると、俺はその場に座り込む。
岡田さんも、俺の隣に座った。
「最近ほんとに調子いいね!さすがレギュラーだよ!」
「レギュラー、ね……」
怪我をした先輩の代わりのレギュラー。
芽依には、『代わり』じゃなくて、ほんとに『レギュラー』を掴み取ってから言いたかった。
芽依は何故、知ってたんだろう。
……たぶん、言ったのは隣に座ってる人だけど。
*