手が、微かに震えてる。
アイツに触れた手が………
最近、刺激が強すぎる。
バスタオル1枚でリビングうろうろしたり
俺の部屋でAV見たり
あんな可愛い顔で俺の腕引っ張ったり……
俺の気持ちも考えろっての。
………ダメだ、思い出すだけでニヤける。
可愛すぎる。
「はぁ……」
「あ〜ら、幸せのため息かしら?」
「?!」
顔を上げると、親友のドアップ。
「わっ!!」
驚いて、肩を押すとそいつはしりもちをついたみたいだ。
「やだ、あっちゃん。何すんのよ〜」
こんな喋り方をしているが、こいつは正真正銘の男。
名前は田口悠。
俺の親友だ。
実は、学年一の美女がコイツの彼女。
「見たよん、篤志」
壁にもたれた身体を起こして、席に向かう俺の背中に話しかけてきた。
「何を?」
「一緒にガッコ来てた」
ニヤリと、本当に音がつきそうな笑い方をする悠。
……コイツの得意技だ。
実はコイツだけは知っている。
俺が芽依に、抱いてはいけない気持ちを抱いていることを。
*