「いつまでここにいるつもり?」


「決心がつくまで」


はぁ、と大きくため息をつく悠に、少し腹が立つ。


だけど居座らせてもらってる立場だから何とも言えずに黙る。


ここは、悠ん家の別荘。


田舎だから、落ち着く。


それにしても、悠ん家って金持ちだな


別荘持ってるなんて……



「そんな意地悪言わなくてもいいじゃない、悠。篤志くん、好きなだけいてね」


「なっちゃん……優しいね」


「菜月、篤志を甘やかすな!」



悠が夏休みに彼女のなっちゃんと別荘に行くのに付いて来た。


……芽依のいる家には、帰りづらかった。



悠となっちゃんの邪魔してるんだろうな


…まぁ、なっちゃんはいいって言ってくれてるし。


夜になるとなっちゃんのヤらしい声が聞こえてくるところからして、俺に遠慮はしてないんだろうし。


ま、いっか。



「なぁ、篤志。ずっと言ってる『決心』って何なの?」


「……それは、」


「篤志くーん!」


答えようとした時、可愛い声に呼ばれた。




*