なぁ、芽依
今でもたまに思うことがあるんだ。
俺がもう少し強ければ
例えばどこかの格闘家みたいに腕が太くて
例えばどこかの弁護士みたいに頭がよくて
そしたら芽依を離さなくてすんだのかな?
胸が痛くてたまらない時は、芽依の笑顔を頭に思い浮かべるんだ。
まるで痛みなんか最初からなかったかのようにスーッと消えていく。
君がいつも笑っていられるように
君がいつも幸せであるように
そう願ったあの日
本当は胸が張り裂けそうだった。
俺が、芽依を幸せにしたかったんだ。
本当は、
二人の永遠を、誓いたかったんだ………
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