頭が回らなくなってきた。 「今逃げたら、きっと榊はキミに一生顔向けられないし、ビアフランカも終わる。キミ等の関係をこじらせてまで俺はデザインを描こうとは思わない」 高谷がそう言ったのまでは、ちゃんと覚えている。 それか気付くと、どこかの駐車場にいた。 一人で歩いてきたのかタクシーに乗って降りてしまったのか。 ふと前を向けばガードレールに腰掛ける男がいた。 躊躇わず後ろからぎゅーと抱きつく。驚いたように一瞬前のめりになった榊は、すぐに体制を戻した。 「洽さん、胸当たってますよ」