潰れたリップクリーム。



「たったの1歳しか違わないのにな、もどかしくて仕方なかったよ」


「あたしも…」


何度も恨んだ年の差。

たった1歳が辛かった。



「凜と同い年の優が羨ましかったよ」


「……」


「凜」


「はい」


「あの時はごめんな」


「…」


あの時とはきっと2ヶ月前のことだ。


「格好悪いけど、志望校の判定がすごい悪くて焦ってた」


どうしても第1志望校に行きたいと言っていた先輩。


「焦る中、1つ下の2年生のまだ時間がある余裕な凜を見てて腹が立ってた」


年上の彼氏として最悪だよ、と言葉は続く。



「最後、悪かったな…」


「そんなことないよ…」



そう口では言うけど、巧先輩との思い出を思い出すとあの別れがこびりつく。