「外寒いね」



「だな」




私は登端の横を歩きながら登端を見て言う。




だけど登端は私の方なんか見てくれず、ただ前をずっと見ている。




こんな時、寂しい気持ちになるな。




付き合い始めのほうが恥ずかしさがあって、手なんか繋ぐのにドキドキしてた。




だけどそれは私達の中で消えていき




今ではお互いが別の場所。




登端はただただ、いつもズボンのポケットに手を入れる。




私はそれを毎日見る。




「今年は寒いね」




こんな会話もいつまで続くのやら。




私の一方的会話。




「だな」




ただ一言。




それだけなんだ。




寂しいよ…。




本当に私のこと好きなの??




冷めちゃった??




嫌いになっちゃった??




そりゃあね、登端から告白してきたんだもん。




登端から終われないよね。




私から別れを告げられるの、待ってるのかな。




だったら私達…




そろそろかな…。




別れの季節が近づいた。