俺は家を出た。




七世がこっちに歩いてきてるのが分かった俺は




「な…」




小声だった。




…なんでだよ…




美咲…




死んだと思ってた。




いや、死んだって聞いた。




なのになぜ俺の視界に美咲がいるのか分からなかった。




だけどあの頃と全く変わってなかった。




「…美咲…」




確かに俺の前にいたのは、美咲だった。




俺は七世の声に気づく。




だけどもう遅くて。




七世は走り去って行く。




「七世!!」




俺は名前を言った。




これで口に出したのは、二回目。




一回目は喜んでくれたはずなのに、




二回目はもう、




返事すらなかった。