クリスマス前の夜。




登端に渡すプレゼントは完璧だし、
服も完璧。




後は明日を待つだけ。




私達、付き合ってからあまりデートに行ったことがない。




二、三回。




だから未だに緊張するっていうか。




明日はいい一日になりますように。




明日は今待て辛かったこと、全部忘れよう。




年に一度の大切な人と過ごす日。




楽しまなくちゃ。




だけど私の事だから考えてしまう、はずなんだ。




だから、スッキリするためにアドバイスを貰おう。




私は電話をかける。




『はいはーい、どうしたー??』




「あっ、明日奈…」



『どうしたの??電話なんか、珍しいね』




私が電話を掛けた相手、それは明日奈。




「うん、急にごめんね。話したいことがあって」




『そか、話したいことって??』




「うん…登端の、事なんだけど…」




『登端君??』




「うん、あのね、私どうしたらいいかずっと分かんなくて、明日奈に電話しちゃった」




私は笑っていう。




『そっか。すぐに言ってよね??』




「ご、ごめん、ね」




『ううん、いいよ』




「…あのね、結構前なんだけど、半田君がね、家の前で女の人といたって聞いたの」




『え??登端君が??』




「うん…」




『信じられないよ、登端君がそんな事』




「うん…」




私だって、信じたくないよ。




だけど、




「他にもあって、私いつも登端と学校帰ってるじゃん、でも前なんか一緒に帰れないって急に言われて、一緒に帰れる日でもなぜか早く帰りたがるの」




『そっ、か』




「もう私…どうしたらいいのかな…明日は楽しまきゃいけないのに…」




『それ、登端君にいいなよ』




「…無理だよ…」




私には、言えないよ…。




『そっか…じゃあ、私が言おうか??』




「ううん!!それはいいの!!ただ、スッキリしたかったから」




『いいの??』




「うん…聞いてくれて、ありがとね。…明日奈っ」




『へっ??』




「大好き、明日は楽しんでねっ」




『…っ、うんっ。私も好きだよ、七もねっ』




電話越しから、明日奈の啜り声が聞こえた。




もう大丈夫。




きっと明日は楽しめる。





私はそれから眠りについた。