それから先輩がバイトに来ることはなかった。




いや、来てるのかも。




ただ俺に会わないようにわざと時間ずらしてるのかも。




まあいい。




もう顔も見たくない。




明日はクリスマス。




今日で俺はバイトが一時休みだ。




帰りにクリスマスプレゼント買いに行くかな。




女子ってなにがいんだろ。




「登端君は、彼女さんにプレゼント買った??」




今日はそんなに忙しくはなかった。




なんせクリスマスイヴ。




みんな家とかもっとちゃんとした店で過ごしてるだろう。




「この後行こうかなって思ってるんですけど、女子って何がいいのか全くで…」




「そっか。女の子ねぇ。私はね、学生の頃彼氏がいてね、その彼氏からクリスマスプレゼントで指輪もらってねー」




「指輪ですか??」




指輪、か。




「そうよ、で。プロポーズされたの。そしたら私もう、大泣きしちゃって」





笑いながら言う茅場さん。




「で、どうなったんですか??」




「その彼今、私の旦那さんなのよ」




茅場さんは、あははははと笑う。




「そうなんすか」




「そうよー、信じられないよねー」




「ですね」




「まっ、登端君も頑張ってね」




「ありがとうございます」




よし、決めた。




俺はバイトが終わってある店を訪れた。