泣き虫彼女とクールな彼氏

あれから数週間がたった。




街中はもう、イルミネーションで賑やかになっていた。




真っ暗な道に灯りがさす。




まるで、夜がこないかのように。




そして私達もクリスマスを迎えようとしていた。




明日から冬休み。





「そうだったんだ」




「うん、言わなくてごめんね。不安になった??」




「ううん、大丈夫だよ」




「確かに私、好きだった。けど、私のこと一切振り向いてくれなくてさ、」




「そっか」




「でも安心して??今は好きじゃないから」




麗ちゃんはそう私に言う。




「そっか」





「だからこれからも色々展開教えてよねー??」




「えっ、うん」




「…七」




「え??」




麗ちゃんは一旦真剣な顔になる。





いきなりどうしたんだろ。




するとにこーっと笑い




「登端君と、お幸せにね。メリークリスマス」




…麗ちゃん…




「ありがとう!!メリークリスマス」




私も麗ちゃんに負けないくらい微笑んだ




「七!!」




「わぁ!!」




勢い良く飛びついてきたのは明日奈だった。




「私ねっ、クリスマスの日、会えることになったの」




「そっか!!」




明日奈は彼氏さんとクリスマス過ごすのか!!




「うんっ、クリスマスくらい当然だろって言われちゃった」




明日奈はクスクス笑いながら幸せそうに言う。




「よかったね!!明日奈!!」




「うんっ!!」




私と明日奈はそれから抱き合った。




ふと私の席の隣を見る。




あ、あのノート!!




机の引き出しからはみ出てるのはオレンジと黄色のノートだった。




確かあの色だったはず!!




半田君はいないし、




こそっとならいいよね。




そう思い私はノートをさっと取る。




そして開こうとした瞬間。




「何見てんの」



「ひゃっ!!」




耳元で話しかけてきたのは半田君だった!!




「残念だっな、それは数学のノート」




「へ…」




ノートを開く。




そこには丁寧な字で計算などが書かれてあった。




「バカな奴。まんまと騙されやがった」




と、笑いながら私に言う。




「騙さないでよー!!」




「人のノート勝手に見たのは誰だよ」




「…はーい…」




先手を打たれた、な。




はぁーあー。




「あ、そうだ」




「あ??」




相変わらず、怖いよ。




「半田君は、彼女いないの??」




私は聞く。




「は??いきなりなに」




「別にー??いないのかなって」




「いてもいなくてもお前に言うかよ」




「えー」




なによそれー。




「っか、俺はサッカーしかないから」




「え??」




「恋愛とかめんどくせーの、もうやめてる」




「…そうなんだ」




そうだよね、




恋愛って、楽しいだけじゃない。




辛いことは山ほどある。




だけどそれが、人を好きになると言うこと。




「…なあ」




「ん??」




半田君は私を真剣に見てくる。




「…」



「…」




そして、




「いや、なんも」




と言った。




「えーっ」



「じゃーなー、楽しくやれよ」




半田君はそう言って教室を走って出て行く。




「あっ、部活頑張ってね!!」




私は教室のドアから廊下に向かって叫んだ。




…届いたみたい。




半田君は、背を向けたまま止まることなく走り続け手を振った。