泣き虫彼女とクールな彼氏

そんな中これ。




【悪いけど今日は一緒帰れない】




たったそれだけのメールが登端から来た




なによそれ。




なんで帰れないの??




って、そんなこと言えないか。





だって自分は女の子と会うんでしょ??





もう…なんなのよ。





私の事、好きじゃないくせに好きとか言って。




信じられない。




私は一人で下駄箱に向かう。





でもいいや、




今日私も登端と一緒に帰りたくなかったし。




一緒か。




はあ…。




なんかやる気でないな…。




私は自分の靴箱の前に立つ。




…。




登端は…




もう学校にいないみたい。




ローファーがないから。




もう帰っちゃったか…。




って、なんで私登端の事ばっかりさっきから…!!




いいじゃんもう、登端なんか。




ほっとけほっとけ…




「ひっ…くっ、」




たくさん、




考えれば考えるほど




涙が溢れてきた。




もうやだよ…。




私、どうしたらいいの…




「おい」




へっ、




すると後ろから声が聞こえた。




この声…




「邪魔」




やっぱり…




半田君だ。




半田君は私の顔を見て




「…泣いてんの…??」




と、言ってきた。




私はさっと手で涙を拭って




「へへ、違うよ」




「…なんだよ」




「あくびあくび、誤解させて悪かったね」




私はそれだけ言って自分のローファーをぱっととって下駄箱を出ようとした。




「ちょっと待てよ」




と、後ろから半田君が言う。




…ここで振り向かなきゃおかしいよね。




せめてバイバイだけでも言わなくちゃ。




「じゃあまた明日ね」




私は手を振って…




って、そしたら




半田君は私の腕を掴む。




「ちょっ、な、なにする…」




「こっち向けよ」




なんでよ…。




なんでそんなこと言われなきゃ…




彼氏でもないのに、そんな私に構わないでよ…




「お前なぁ、あくびでこんな涙溢れねーから」




「え…」




「知っとけばか」




「へっ…」




やっぱ、バレてたんだ…。




「やっぱ今日の事、気にしてんの??」




「…」




なんて言えばいいのかな。




これ以上、考えたくない…。





「ばかだからな…余計なことばっか考えやがって」




「…ばかじゃないし」





「っていうやつがばからしい」





と言って半田君は笑う。





正直半田君が笑ったとこ、始めてみた。




「あの、」




「ん??」





「部活は…」





このあと部活だよね。





「ぁあ、今から行く」




「そっか」





なんだか誰かそばにいてほしかった。




寂しいな。




「なんだよ、寂しそうだな」




「へっ!!??」




「ふっ、ならついてくれば??」




「え、ついてくるって…」




どこに??




「部活。見に来いよ」




「え、でもでも…」



「まぁお前が用事あるなら仕方ないけ…」




「行きます!!」




私は元気良く答えた。




「を、元気でたな」




半田君は普段冷たくて毒舌なのに、




こういう時だけは優しくしてくれる。




ほんとは優しい人なんだなって、




見直したというか。




「帰りは送らねーよ」




「なっ!!そこは普通送るでしょ!!」




せっかく見直したのに!!




損したわ!!




「なんでだよめんどくせー」




「あんたねぇ!!暗くなるんだから女の子送りなさいよ!!」




「なんかキャラ変わってね?」




「あは??なんのことやら」




「嘘。帰りは送ってやるよ」




「…え」




「…仕方ねーから」




「なによそれ」




それから私達はサッカー部の部室に向かう。




グラウンドには少人数だけど集まっていて




みんな個人練習をしていた。




「いやっ、そこまでは」




「いいよ、あいつも送ってるだろ??」




「そうかもだけどさ…」




「俺一応、登の隣だし」




「あっ、そっか。家、登端の隣だったね」




「うん」




部室に着く。





半田君はちょっと待ってろと言って部室に入って行く。





ここがサッカー部の部室かー




なんか、広いな。




さすが運動部って感じ。





私の目から涙はすっかりやんでいて。





「ほら、入れよ」




「…え??」





ドアを開けて招く半田君。





「誰もいないから」




「あ…うん」




私はお邪魔しますと一声かけ中に入る。




「そこらへん座っとけよ」




中に入ったら




たくさんのサッカーボール、




みんなのスパイス、




コーンや笛、




ユニフォームなどが綺麗に片付けられていた。




そんな中私はベンチに座る。




「因みにそこ、俺の席」




と言って私の座ってるとこに向かって顎を出す。




「えっ、そうなんだ」




座っちゃ悪かったかな。




すると半田君は服を脱ぐ。




「ぎゃぁぁぁあー」




「あ??」




ちょっちょっちょ、




な、なぜ普通に脱ぐ!!




「あ…。なに、まさかドキドキとかすんの」




「なによその言い方!!」




私は下を見いて叫ぶ。




「どうせ登の見たでしょ」



「登端と半田君は違うのーっ」




「あ、見たんだ」




「なっ、」




は、ハメられた…。




でも…




半田君の体…




腹筋すごい…




いや、凄かった。




さすがサッカー部。




そうだね、登端は部活してないんだもんね、当然か。




登端はうっすら腹筋だったな。




「なんで黙ってんの??あいつと比べてる、とか??」





「い、いやっ」





そんなっ、滅相もないっ!!




「そうなんだな」




なぬ!!




なんで分かった!!




「でもあいつも腹筋あるだろ」




「…まあ…」




「あいつ中学の時バスケ部だったもんな。県大会まで行って、俺たちの間は有名だったぜ??」




「えっ、初耳…」




知らなかったよ。




バスケしてたんだ。




「へぇー。案外知らないね、あいつの事」




「…」




そうだね。




なにも話してくれないもん。




半田君の着替えが終わる。




後はソックスとスパイスらしい。




「高校入ってもバスケすると思ったけどしなかったな」




「なんでだろ」




「それは俺も知らねーよ。ま、何かすることでもあったんじゃね??」




すること…。




「…そかっ」




「俺も好きだったけどな…あいつのプレイ」




…そっか。




なんで辞めちゃったんだろ。




そんなにうまかったなら、もったいないよ。




「さっ、行くか」




半田君はそう言って立ち上がる。




「うん」




「あ、そうだ」




「ぅん??」




急に何かを思い出す半田君。




自分のバックから白いジャージを取り出す。




「こっち来い」




「は、はい…」




怖いな全く…。




私は半田君に近づく。



と…。




「えっ…」




私の肩にさっきの白いジャージをかける




「外寒いから着とけ」




「あ、ありがと…」



「…じゃあ行くぞ」




私達は部室を出た。




なんだ、やっぱり優しいとこあるじゃん。