あれから二時間。




ずっと歌いっぱなし。




疲れないのかな。




あー、




会いたいなぁ…




登端。




って、無理か。




「明日奈??私ちょっと、トイレ行ってくるねっ」




「あっ、うん」




明日奈と私以外の二人はもう、テンション上げ上げ。




しかも立って歌ってるし。




私がトイレに行こうが、気づかないか。




私はトイレを済ます。




このトイレ、超広いな。




ドアを開けて出た瞬間だった。




ドン




「きゃ、」




「ってー」




「ご、ごめんなさい」




私とぶつかったのは同じか少し上の男の人二人だった。




見るからに、チャライ…




「なんだよ君、可愛いじゃん」




「へ??」




可愛いって??





私が??




「ねぇ、今から俺達と歌わね??」




「え…いや私は友達がいるんで…」
「えーじゃあちょっとだけっ」



そう言って男の人は私の顔の前で手を拝む。

てかなんなのこの人。

誰。

「あの、私戻りま…ひゃあっ!!??」

その瞬間、いきなりお姫様抱っこをされた!!

「まだ声ださないでねー」
「は…ちょ、何するんですかっ、離してっ」

やだ、どこ行く気。

「しーっ」
「んっ、」

ちょっ、やだ!!

私の口元を抑えてだき抱える男と、

その隣でニヤけている男。

マジ無理。

そして部屋に入れさせられる。

解放してくれた。

「あの、し、失礼しますっ」

私が部屋を出ようとしたその時だった。