「なんでカラオケなんか…」




俺達は今、カラオケ店にいる。




それも全部、こいつのせい。




「いいじゃんかたまには」




「侑月お前なぁ…」




俺を振り回すのいい加減にしろっての。




ただでさえ…すげぇ頭いてーのに…。




「登端も歌えよー、今日はオールだろ??」




「マジかよ…」





こいつ言っても聞かねんだよな。




「なんだよなんだよ。つれねーなー??またバイトだったのかよ」




「だからなんだよ、こっちはこれが精一杯なの」




俺はソファーに仰向けになる。




「えー、寝ちゃうのー??」





マイク越しで言う侑月。




「わりぃ。一時間だけ寝かせて…」




「…いいけどさ…」




ガラッと態度が変わった侑月。




俺は少し侑月の方を見る。




「あんま溜め込みすぎんなよ??お前もストレス溜まってんだろうってカラオケ連れてきてやったんだかんなぁー、感謝しろよ」




「あ、あぁ…」




そうだったんだ。




「後歌声聞かせろ」




「しね」




さらっと言う侑月にそう一言いい俺は眠りにつく。





あぁ、俺さ。




『なあ。…結婚しよ??』




覚えてるかな、あの言葉。




って、覚えてるわけねーか。




なんせかなり前だもんな。




そん時は七世、号泣だったな。




…可愛かった。




俺は将来決めている。




七世と結婚して、家庭をつくって。




どの家族よりも、幸せにするって。




だから今バイトしてるんだ。




将来のために。




七世のために。