あたしが通う学校に変な何かがいた


ざわざわと賑わう生徒で前は見えないけど遠くからでも見えた


高さも横幅もかなりでかいんだもの


所々黒くて気持ち悪いと思った矢先……


その黒い何かが突然に暴れだして空を飛んでいなくなったのだ


体つきは軟体動物とほぼ同じようにみえた


その日、学校内は黒い何かでもちきりだった












放課後、あたしを含めた6人と廊下を歩いていた


部活動の顧問の呼び出しを無視するわけにはいかない


すると6人の内の一人が何かに気づき声を出した


あたし達もその子が指差した方向を見て唖然とした


今朝の黒い何かが学校の校庭の上を浮いていたのだ


さらに黒い何かが何かを落とし始めた


落とした何かの正体はマツボックリだった


マツボックリが校庭から校舎に迫ってくる


偶然開いてた窓からマツボックリがすごい勢いでなだれ込み、それがあたし達の足まで埋まった


動けなくなったあたし達はその後、掃除用具を持っている教師達に助けられた


黒い何かはまたいなくなっていた













この状況で部活動はできるハズなく、生徒達は下校する事となった


あたしは自転車を使い、家までこいでいく


ここで三度目、黒い何かが上空を浮いているのを見つけた


同じ目にはあいたくない、その反動でペダルを力一杯踏み込む


加速する自転車


その先が赤信号になったからブレーキを掴んだ


だが、遅くなるどころかどんどん加速していく


パニックになり、目を閉じる


鳴り響くクラクション


ドンッという衝撃とともに体が宙を舞う


ぶつかったのは車ではなくガードレール


そのままあたしの体は硬いコンクリートではなく軟らかい泥の中に突っ込んだ













「……はっ!!」


見覚えのある部屋であたしは目を覚ました







【完】