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窓から朝陽が差し込む。
その眩しさで私は目を覚ました。


「……ん」


ふぁあ~っと大きな欠伸をしてから、私は体を伸ばした。


ベッドから這い出ようとして、目を見張る。

…何で靴があるの?


ベッドの下に外で履く靴が、何故かきちんと揃えられて置いてある。


まさか、私が寝た後に誰かが動いたの?
訝しげな顔で、私は靴を見つめる。

だけども、私の中の住人は誰も何も言葉を発さない。


きっと、今までも“こうして”見ていたんだと思う。

それじゃあ、私も今まで通り過ごして行くだけ。


私は靴を持つと、部屋から出る。
玄関に置いてから、リビングへと入った。

お母さんが既に朝食を作っていた。


「おはよう、あやめ」

「おはよう」


その時、お義父さんも後ろから現れる。


「あやめ、早いな。おはよう」

「…、おはよう」


ドクンと心臓が鳴る。
だけど、すぐに私は返した。

普段通り。
普段通り。


「…先に顔洗ってくる」

「そうしなさい」


ニコニコしてるお母さんを見る事が出来ず、私はそそくさとリビングを後にした。