「…気持ちが削がれた。帰る」
「送る」
「いらねえっつうの」
「……」
鬱陶しいな、草野は。
だけども、アタシから離れようとはしない。
きっと、無視して帰っても付いてくるはずだ。
ほっておくか。
自宅までアタシは無言で歩く。
その少し後ろを草野が付いてくる。
曲がり角に差し掛かった時、一気に走りだした。
慌てる草野。
だけど、塀を乗り越えたアタシに気付かず、草野はアタシの前を素通りして先を探しに行った。
草野が行ったのを確認してから、再度塀にのぼるとアタシはゆっくりと自宅へと戻る。
流石に自宅まではうざったい。
自宅に到着してから、アタシは木に登り部屋へと入る。
靴は明日でいいか。
もう、寝たいわ。
窓を閉めると、アタシはベッドへと潜り込んだ。