≪カンナはあやめが眠っている時を利用したらいい。 俺が出る時を利用したらいい。 あやめに聞こえさせない事は出来るだろ?≫ ≪ああ≫ ≪あの男を殺して、あやめを殺人犯に仕立て上げられたら満足なんだろ?≫ ≪……ああ≫ ≪取引、成立だ。これからは俺も協力する≫ ≪………≫ 殺樹は微笑んでいた。 だけど、カンナはその微笑みをどうしても信用出来なかった。 この取引が凶と出るか、吉と出るか。 それはカンナにも、あやめにも、殺樹にすらわからなかった。