多重人格者【完結】



「まー信じても信じなくても、どーでもいい。
そんな事、アタシからしたら関係ない。
だけど、もし…」


アタシは草野の目の前まで行くと、草野の喉元を親指でトンと指した。


「アタシの計画を邪魔しようとしたら…ぶっ潰す」


更に真正面から草野の顔を見据えて

「例え、あやめの好きな人だとしてもね」

アタシは囁くように言った。


草野はそのまま、へたりとその場に力なくしゃがみ込んだ。


「もし、邪魔しないのなら普通に接してやるよ。
恋人として付き合ってもいいよ?あははっ、くくくっ」



高笑いしながら、アタシは草野の事を見ることなくその場から立ち去った。



……もしも、アタシの計画を邪魔するならば。


誰だって許さない。


昴だろうと、ユウナだろうと、アンだろうと。
あやめだろうと、草野だろうと。


相手が誰であろうが、邪魔するのならば…殺すだけ。